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良いセラピストが

もつ特質とは?
 

 今日、心理療法の世界はますます規則で統制されるようになり、重要とされる点が資格や学士の称号へと変わってきています。こういった状況の中で、何が人を良 いセラピストにするのか、という問題が見失われているように思われます。ビレッシュはOSHOヒュマニバーシティの創立者であり学長です。オランダにある この私立のスクールは、25年間以上にもわたってセラピストを養成しています。このインタビューの中で、スクールの総長であるチャンドリカが、本当に重要 視されるべき質についてビレッシュに尋ねています。ビレッシュはニューヨークのフェニックスハウスというところで始まった彼自身のトレーニングの話、そし て30年以上にもわたって直接指導を受けたOSHOの知恵からインスピレーションを受けたことを話し始めます。


ビレッシュはOSHOに、セラピストにとって大切な質とは何かを尋ねました。1979年1月30日、彼は手紙でその答えを受け取りました。:
 

「OSHOの答えは以下です」OSHOとの深いつながり、クリスタライズ(結晶化)したプレゼンス、真正さ、喜んでリスクを冒せること、冷静さ、謙虚さ、気づき、愛すること、明晰に見 ること、肯定性、クライアントの投影に捕われないこと、何かを「する」という必要性を持っていないこと、ゴールがないこと、現在を受け入れること、独断的 な考えをもたないこと、柔軟性、真の自信、答えを与えるよりも多く問いかけること、恐れがないこと、自分の必要性のために操作しないこと、成熟しているこ と、人生経験の豊富さ、苦悩の経験、ユーモアのセンス、軽やかさ、深刻でないこと、遊びに満ちていること、見通しを持つこと、「構造があるもの」に対して も「構造がないもの」に対してもくつろいでいられること、個人であること、ユニークであること、セラピストという役割の後ろに隠れないこと


チャンドリカ:OSHOはあなたに、最高のセラピストを養成するようにと頼みました。良いセラピストが持つ質とは何だと思いますか?

 

ビレッシュ:それは簡単です。私とワークしたことがある人なら誰でも、私が自分自身を愛し、大切にしていて、それを働きかけているすべての人に映し出したいと感じてい ることを知っています。

 

「しなければならない」ことなどどうでも良いのです。

 

「そうしたい」というのが理由です。

 

私は、誰かに手を伸ばし、その手が届くと 幸せに感じます。それが、あなたが良いセラピストになるための基本です。

 

●あなたの経験において、ヒーリングをサポートするものは何ですか?

 

ビレッシュ:あなたのために誰かがそこにいて、思いやってくれる…そのこと自体がヒーリングです。かつて私がセラピーを受けた時、一番私を動かしたセラピストは、私が 彼らのハートを感じることができる人たちでした。

 

彼らは自分がしていることを大切にしています。

 

壁に貼り出す表の統計の一つとして私を利用するようなセラ ピスト達と一緒にいたこともあります。

 

私はまったく大切にされているとか、愛されているとか感じることができませんでした。私は取扱件数の一つでしかない のだ、という風に感じました。

 

どんな問題があろうとも、すべての人が内側ではヒーラーでもあるのです。内側を見れば、あなたには癒しの力があることを知るでしょう。私はそれを愛の力、 あるいは魂の力と呼びます。他にもたくさんの呼び方があります。

 

思いやり、愛するときに、それを相手にあたえれば、その時変容が起こります。あなたは他の 人に向けて自分を開き、すべての愛を注ぎ込みます。

 

そしてもしその人が受け取ることができれば、ヒーリングが起こります。受け取ることもまた、ヒーリング の一部なのです。例えば、私が子供のとき、つき指のようなけがをしたら、お母さんのところへ走っていって泣いたことを覚えています。お母さんは私の指にキスをして「ほら、もう大丈夫よ。」と言ったものです。これが基本です。「私は愛に値する、愛をあたえ、受け取ることができる」と言うことなのです。

 

●OSHOは友人としてのセラピストについて話しました。古典的なセラピーにおいては、友情を持つことは間違った行為だとみなされます。クライアントに対して職業的な距離を保つことは重要ですか?

 

ビレッシュ:14歳の頃のことを思い出します。私は入院していて、その日は私の誕生日でした。私は私のセラピストに「お誕生日おめでとう」と言ってもらいたかったのです。そのセラピストのことがとても好きだったからです。

 

けれども彼女は誕生日について触れることはなく、私も何も言いませんでした。とてもがっかりしまし た。

 

私は、セラピストが私の友人で、私のことを人間として見てくれていると感じたことは一度もありませんでした。もちろん職業的な倫理は存在します。

 

けれども セラピーを終えて、クライアントとの関係が終わってしまうのがゴールだとしたら、悲しいことです。私にとっては友情がゴールです。

 

私は養成したセラピスト 全員に、クライアントは一つのケースではなく、あなたは彼らを友情へと招待しているのだ、ということをはっきりと伝えています。

 

●セラピストはクライアントが自分自身を発見することを助けるために存在します。「私はクライアントにとって良いことを、もうすでに知っている」とセラピストが考えてしまう罠を、どのようにして避けたらよいでしょうか?

 

ビレッシュ:クライアントに自分が役に立つと思うことを言い、同時にこれは私のトリップだということを伝えるのは良いことです。

 

そうすればその人は基準となる枠組みを 持つことができるからです。

 

例えば、そのセラピストは、彼に変化して欲しいとか、両親との関係を改善して欲しいとか、上司と話して欲しいとか望んでいるの かもしれません。

 

主観性と同様に、そのセラピストの投影や、姿勢、考え、今いる場所、感じていること、すべてに意味があります。

 

クライアントが、これがセラピストの考えて いることや、感じていることだと知ることができるからです。セラピストがただ「なぜ?もっと私に話してください。説明してくれますか?」と尋ねるだけな ら、病院の冷たい道具と同じです。

 

人には触れ合いが必要です。彼らはあなたの客観性と同時に、主観性も必要としています。

 

あなたのフィーリングや、合理的 でない考えも必要としているのです。こんな風に言ってみたらどうでしょう。「これが私のいる場所です。あなたの場所はどこですか?」それはあなたもまた人 間であり、彼らより優れてもいないし、劣ってもいないということを人々に示す、学んでいくべき美しい方法です。

 

●他に何か言いたいことはありますか?

 

ビレッシュ:私のセラピスト達に、あなたの仕事は、自分自身でいて、自らをさらけ出し、偉大なセラピストになるのではなく自分も人間なのだということを示すことだ、と いうことを言いたいと思います。

 

あなたは、口で言うだけでなく、行動するべきです。

 

もし人々に自分自身を見ることを求めるなら、あなたも手本となって、内 側を見なければなりません。そうすれば人はあなたを信頼することができます。

 

人がセラピストを信頼すれば、たくさんのヒーリングが起こります。

 

私は、OSHOが、セラピーは愛のはたらきだと言っているのが好きです。一度皆にお互いの愛し方を教えたら、私たちは失業してしまうのですが。でも、皆にお互いを愛することを教える、それが私たちのゴールでしょう?

 

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