瞑想の瞬間 あなたは突然 二つの方向に動いているのを感じる 水平方向と 垂直方向に 垂直方向は 沈黙と 祝福と エクスタシーから構成されている そして水平方向は 手と仕事と 世間で成り立っている ひとたび 自分が十字路であることを知ってしまうと 人は無関心ではいられない 垂直次元について 興味をそそられずにはいられない 水平方向なら知っているが 垂直方向は 永遠に対して開かれたドアだ 死は存在せず 人は だんだんと 宇宙全体の一部となる そこでは 人は あらゆる拘束から開放される 身体という拘束からさえも ゴータマ・ブッダは言っている 「生まれることは苦痛であり」 「生は苦痛であり」 「死は苦痛である」と 彼が言っているのは、 水平方向に動いている限り あなたは惨めで 苦痛の中にあり続けるということだ あなたの人生には踊りも喜びもない もしそれがすべてであるなら 唯一の解決法は自殺だ それは現代、西洋の実存主義 哲学者たちが出した結論だ ジャン・ポール・サルトルや ヤスパースやハイデッガー キルゲゴールたち 結論は 「人生には意味がない」ということだ 水平面を動いていく限り 苦悩や苦痛 痛みと病気と老いしかない あなたは小さな肉体に閉じこめられている あなたの意識は宇宙全体ほど広いというのに ひとたび垂直面を見つけると ひとは垂直方向に動き始める 垂直方向に動くために あなたが 世界を放棄しなければならないということではない それはただ あなたが つかの間の重要でない世界の一部では なくなっていくということだ それは あなたが世間を放棄して 山や修道院に逃げ出すことではない それは単に あなたがどこにいるのであれ 以前はできなかった内なる生を 生きはじめるということだ あなたは それまで外側に向いていたが 突然 あなたは 内側に向かいはじめる 身体に関しても あなたは うまくやっていけるようになる 「自分は身体ではない」 という意識があってさえも しかし 身体は多くの方法で 垂直方向に動いていくことを助けてくれる 垂直方向への貫通 あなたの水平生活の 闇に射した一筋の光が 光明のはじまりだ あなたは同じに見えるが 同じではない ものごとを見通す明晰さを持つ者にとっては あなたは同じではない そして 少なくともあなた自身にとっては あなたは同じには見えない そして あなたは同じままではありえない あなたは世間の中にとどまるが 世間はあなたの中にはない 野心や欲望 嫉妬が消え去ってゆく それらを落とすために 努力する必要はない ただ、垂直方向に動いていけば それらは消え失せはじめる それらは 垂直の世界では存在できない それらは 水平の世界の暗闇にしか存在できない そこでは誰もが競争し 誰もが 欲望で一杯になり 権力を欲しがり 支配し 特別な誰かになろうとしている 垂直の軸では これら馬鹿げた物ごとは 単に消え失せる あなたは軽くなり 重力の影響を受けなくなり 蓮の花のようになる それは水の中にありながら 水に触れてはいない あなたは世間の中にとどまるが 世間は もはやあなたに何の影響も与えない
OSHO講話 Hari Om Tat Sat #27 より