マインドを修正するのでなく、距離をとる
ACTは、認知行動療法の後の「第3の波」といわれる治療法の一つですが、認知行動療法(CBT)と比べると、大きく次のような違いがある。
1、「考えのくせ」を修正するのではなく、気づき、距離をとる
CBTでは、考えのくせがあったら、それを「合理的かどうか」考え、修正を図る。一方、ACTでは、修正することよりも、しっかり気づいてその状況を受け入れ、もし考えにのまれていれば、それと「距離をとる」ことを重視する。
2、自分の状態に気づく練習を積極的に行う
ACTも含めた「第3の波」に共通することとして、今の自分の状態にしっかり気づく(マインドフルネス)ことを重視し、実際トレーニングを行うことである。これにより、気づきをしっかり持つことができ、また、CBTでは実際扱いにくかった「体の感覚」も積極的に扱うことができるようになる。
3、 人生のテーマ(支え)について積極的に扱う
CBTでは、今現在の問題を扱うので導入しやすかったのですが、もし、自分の支えがぼやけていたり、考えのくせが昔からのことだったりすると、効果が乏し くなるきらいがあった。
ACTでは、自分の一番大事なこと(価値、もしくは支え、願い)に注目し、そこを土台として実践的な目標や具体的な行動を組み 立てていく。
4、 疾患名を越えて、状態、症状との付き合い方を考える
ACTでは、もちろん症状や疾患に特化したプログラムもあるが、基本的には、疾患名に係わらず、「自分の状態、症状との付き合い方」に焦点を合わせる。
そのため、幅広い疾患に対して、この治療法の要素を導入することができる。