「こころのおしゃべり」は、ストレスを作る
ある出来事にまつわる場面を思い出して、心の中で、一人芝居し、一人問答し、怒り、悲しみ、落胆、などを再現している。また、その出来事の中での、他人 の行動、言葉を思い起こして、批判の思いを重ねている。また、自分の行動、言葉を思い出して、後悔して、心の中で、ブツブツと思いを重ねていく。 そのおしゃべりが、交感神経を刺激して、様々な「感情」を伴う。歓び、怒り、恐怖、不安、悲しみ、絶望、苦しみ、などである。こういう感情は、神経を刺激して、ホルモン、免疫への影響などによって、心身に悪い影響を与える。マインドフルネス総合研究所
以下はその記事より抜粋です。 こういう精神的ストレスを緩和する技法がある。マサチューセッツ大学医療センターで開発されたストレス緩和プログラムである。呼吸を感じるとか、身体の 一部の様子を感じるなど、ボディスキャンという瞑想を、なるべくいつも、実践する。
こころのおしゃべりが意識に浮かぶのがわかるので、それを解釈したり判 断したりせずに、考えることをやめて、呼吸や身体の感じに心を向ける。こうして自分の「こころのおしゃべり」に気がつくと、それをコントロールできるよう になる。
「瞑想健康法」ジョン・カバット・ジン著、春木豊訳、実務教育出版
そのように、ストレス緩和プログラムを行っていると、一瞬一瞬、自分の行動していること、考えていることがわかるようになる。これを「自己認識」 という。「現在進行中の自己の心的状態を認識する」ことである。ダニエル・ゴールマン「EQこころの知能指数」講談社、七八頁。
このプログラムを実践した人は、ダニエル・ゴールマン氏によれば「肉体の病を癒すにとどまらず、人間的な成長を反映していると思われる精神的な変容すら もたらしました。」(ダニエル・ゴールマン「心ひとつで人生は変えられる」徳間書店、一四六頁)という。
その人の「価値観」の変化が起こるのである。元々、このプログラム技法は、仏教の坐禅法に基づいて開発されたものであ り、元来、仏教の坐禅に、そういう効果を生む力があるのであった。