感情を残したまま思考を抑制するとその感情が思考を呼び起こすようになる
感情は思考と結びついています。研究知見によれば、感情を残したまま思考を押さえ込もうとする(抑制)すると、ついにはその感情が思考を呼び起こしてしまう。抑制しようとする対処方法が、思考と感情の両方を呼び起こしてしまう(Wenzlaff & Wegner 2000)
例えば、最近経験した恋人の喪失が悲しく、そのことを考えないようにするとする。
頭から、恋人のことを追い払おうと、好きな音楽をかけたりすると、その結果、ついには、別のことで悲しい気持ちになった時にも、その恋人の喪失を思い出すようになったり、好きな音楽をかけたときにも、恋人を思い出したり、悲しくなったりする可能性がある。
つまり苦痛を感じないようにすることで、逆にその苦痛を増幅させてしまうことが多い。