失望のあとで
チベット仏教の師トゥルンパの言葉 (タントラ狂気の智慧・めるくまーる) 「精神性に対する姿勢は,自然で,ごくふつうで,野心をともなわないものであるべきだ。」 「救済,奇跡,解放などを約束する精神的アプローチに従うかぎり,私たちは<精神性の黄金の鎖>につながれる。」 「精神性へのアプローチの基礎がエゴを肥らせることにあるかぎり、それは精神の物質主義であり、創造的なプロセスというよりは、むしろ自滅的なプロセスになってしまう。」 「エゴという点から見れば,悟りを達成するということは,最終的絶望だ。精神の道を進むことはつらいことだ。それはたえず仮面をはぐこと,何層もの仮面を一枚一枚むいてゆくことである。それは屈辱につぐ屈辱をも意味する。 」 「そんな失望につぐ失望を経て,私たちは野心を捨てるべきことに気がつく。私たちは下へ下へと墜ちてゆき、ついに大地に触れる。大地の根元的な健全さに触れるまで墜ちてゆくのである。」トゥルンパ タントラ狂気の智慧(めるくまーる) そして夢から覚めたら、「下の下,卑の卑,まったくシンプルで,何の期待も抱かぬ一粒の砂に」になれる。それから「地につきさえすれば,夢を抱いたりつまらぬ衝動が起こる余地はなくなり,やっと修行が役に立ち始める。ちゃんとお茶をいれることを覚 え,横道にそれずまっすぐ歩くことを知り始め」れる。